終身雇用制度がなくなり、個を重視する時代になり、今は転職が当たり前の時代となりました。
しかし、いまだに日本では新卒採用枠がもうけられ、もっとも採用枠が多く、研修が充実している会社もあります。
特に大企業では新卒優遇が根強く残っている会社は多く、既卒などからの就職が難しい状況です。
こんなに新卒が優遇されるのは世界を見渡しても日本くらいなものです。
なぜ日本では新卒が優遇されるのでしょうか?
日本で新卒が優遇される理由とは?
もともと日本では終身雇用を前提として、採用活動がおこなわれていました。
そのため、新卒から大量採用したほうがメリットが大きかったのです。
優秀な人材を囲い込んでしまおうという動きがあったんですね。
しかし、終身雇用が崩壊した現在でも、日本に新卒優遇は残っています。
その理由は単なる昔のなごりというものだけでなく、下記の理由があるからと言えます。
新卒は扱いやすい
まず、一つ目の理由として、新卒は扱いやすいことがあげられます。
社会人経験が少なく、他社を経験していないので、社会人としてはいわばまっさらな状態です。
仕事のスタイルも確立していないので、会社に合わせた働き方に柔軟に対応してくれます。
企業としてはできるだけ長く働いてもらい会社の色に染まってもらって、最終的には会社の文化を次の世代に伝える人になってほしいと考えています。
そのため、新卒は企業にとって重宝され、優遇されるのです。
新卒は安く雇うことができる
年功序列の文化が薄くなったとはいえ、30歳の未経験者と新卒を同じ給料で・・・とはいかない企業が大手ほど多いのが日本の現実でしょう。
もし同じ給料なら、抵抗のある人や文句を言う人がでてくると思います。
海外では経験で給料を決めるのが当たり前でも、日本では年齢が若いほど安く雇いやすい文化が残っているのです。
同じ未経験者なら、給料が安くすむ新卒を採用したいと思うのは当然でしょう。
わざわざ既卒を採用する理由がない
既卒で就職活動をしているということは、何かしらの理由で学生時代に就職しなかった、もしくは就職できなかったということになります。
既卒にその理由を聞いても、本当のことを言っているかどうかはわからないですよね。
そう考えた時、経歴がはっきりしている新卒のほうが、会社に有利に働きそうな知識や能力もっているか、長く働いてくれそうかどうかなどの判断がつきやすいのです。
つまり、企業にとっては既卒と新卒を比べた時、新卒を採用したほうがリスクが少ないんですね。
では中途の場合はどうかというと、中途と新卒には求めるものが違うのでフィールドがそもそも別と考えたほうが良いでしょう。
そのため、中途であっても経験や実績があり、即戦力となってくれると判断されれば十分採用されます。
最近は第二新卒も優遇されるようになってきている
まとめると、企業にとって一番採用してデメリットやリスクが少ないのが新卒といえます。
即戦力を必要とするベンチャー企業は別ですが、大手企業にとって新卒を積極的に採用したいという動き、いわゆる新卒優遇があるのは当然なのです。
一方で少子高齢化や企業の競争が激しくなった影響で、新卒の人材確保はどんどん厳しいものとなっています。
優秀な新卒を確保するために、インターンで高額な報酬をわたす企業もあるほどです。
しかし、これは第二新卒にとって有利に働いているといえるでしょう。
最近は新卒の代わりとして、第二新卒も優遇されるようになってきているのです。
日本は新卒優遇があると悲観になる必要はありません。
新卒で仕事を辞めたとしても、第二新卒での転職は十分可能です。